原発逆転敗訴/活断層評価はより慎重に
北陸電力の志賀原発2号機の耐震性に不備があり、地震で被ばくする恐れがあるとして、住民らが運転差し止めを求めた控訴審で、住民側が逆転敗訴した。
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0001763256.shtml
「活断層の評価や地震の揺れの調査手法は最新の知見を反映している」「安全対策は国の新耐震指針に合致し、震災で住民が被ばくする具体的な危険性もない」
名古屋高裁金沢支部は北陸電側の主張を認め、住民の請求を退けた。原告住民らの主張に沿って運転差し止めを命じた三年前の一審判決とは正反対の判断となった。
ここ数年、地震で原発周辺の活断層が動き、想定外の揺れを起こす事例が相次いだため、耐震性への不安が高まっている。
原発の耐震強度や安全性はどうあるべきか-。二審の判断は、こうした疑問にどこまで答えたのだろう。
志賀2号機は、直下型地震など最大マグニチュード(M)6・5を想定して設計された。だが原発の近くに活断層が走り、住民側は2号機の安全性に問題があるとして一九九九年の着工直後に提訴した。
一審判決は、直下型地震の想定が低すぎることを運転差し止めの理由にした。
二〇〇〇年十月の鳥取県西部地震では、活断層が未確認の場所でM7・3を記録。〇五年八月の宮城県沖地震は、想定規模が下回ったのに、東北電力女川原発の一部が耐震設計の限界を超す揺れとなり、自動停止したことなどが根拠とされた。
その後、国の原子力安全委員会が原発耐震指針の二十五年ぶりの改定を余儀なくされたのも、旧指針では想定外の地震に対処できなくなったと悟ったからだ。
控訴審判決で、高裁金沢支部は活断層の評価や揺れに対する調査手法など、北陸電側の対応に信頼を寄せている。
確かに、北陸電は耐震指針の改定に伴って活断層調査をやり直し、2号機の設計強度を引き上げた。しかし今後、地震で被ばくの危険性はないといえるのかどうか。
一審判決から一年後、耐震指針の改定から半年後の〇七年三月には能登半島地震が発生し、2号機は想定の約二倍の揺れを観測した。さらに、その四カ月後の新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発の揺れは六八〇ガルを記録。東電の想定をはるかに上回ったことは、新指針への信頼性に新たな疑問符を投げかけた。
活断層には評価が定まらない点が、まだたくさんある。そのことを踏まえた、より慎重な判断が司法の側にもほしい。
(3/19 09:28)
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