「MOX」玄海原発到着 ドキュメント 抗議、厳戒…揺れた「5.23」
九州電力玄海原子力発電所(玄海町)に、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が到着した。テロ対策の武装警察官らに見守られて荷揚げされる危険度が高い核燃料の受け入れに、九電関係者、市民団体、地元町長らがそれぞれに身構えた「5.23」を振り返る。
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▼午前5時半 朝もやの中、MOX燃料を積んだ輸送船が玄海原発沖合の玄界灘に現れる。
▼午前6時 原発正門前。市民団体が「プルサーマル絶対反対」の横断幕を広げる。プルサーマルと佐賀県の100年を考える会メンバーの味志陽子さん(62)は「使用済み核燃料の最終処分場もないのに、MOX燃料搬入は見切り発車だ」。
▼午前6時半すぎ 輸送船が原発の専用岸壁に接岸する。甲板には防弾チョッキや銃携帯の武装警察官の姿。
▼午前7時ごろ 輸送船が接岸した岸壁を見渡せる橋で、市民団体が「プルサーマルは危険だ」「MOX燃料はいらない」などとシュプレヒコール。輸送船に目を凝らしながら、「NO! プルサーマル佐賀ん会」の吉森康隆共同代表(61)は「古川康知事は住民投票もせずにプルサーマル計画の受け入れを決め、無責任。県民の命を金で売ったと感じている」
▼午前8時すぎ 玄海町への中間貯蔵施設立地に反対する呼子町区長連絡協議会の12人も抗議行動に合流する。
▼午前8時20分すぎ 玄海原発に隣接する「玄海エネルギーパーク」で、市民団体が順次、プルサーマルの中止を求める要望書や声明文を九電に提出。九電が受取場所に指定した運転手控室が狭く、市民団体が怒る。
▼午前8時37分 MOX燃料荷揚げ開始。
▼午前11時半ごろ 原発から約5キロ離れた仮屋湾で釣りをしていた佐賀市の会社員男性(40)は「ヘリが飛んでいたので何事かと思った。プルサーマルは放射線が漏れたら危険らしいが、それは今も一緒でしょ? 玄海町も県も原発があるおかげで潤っている」と騒動にも冷ややか。
▼午後0時半 岸壁でトレーラーに積まれた燃料輸送容器の周囲で九電社員が放射線を測定。
▼午後1時すぎ 2基目の輸送容器を積んだトレーラーが歩くほどの速度で原発3号機へ。
▼午後2時半 九電が玄海エネルギーパーク内のプレスセンターで「MOX燃料輸送が無事完了しました」と発表。
▼午後7時半すぎ 高レベル放射性廃棄物最終処分場の地元への誘致を中止させた高知県東洋町の沢山保太郎町長(65)が市民団体の招きで玄海原発を訪れ、「危険なプルサーマルは冒険的事業。佐賀だけでなく全国的問題として阻止の動きを広げたい」と語る。
=2009/05/24付 西日本新聞朝刊=
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