沖電 CO2削減なるか 「原発研究」を計画に
排出量と料金の高さ「全国一」/事故・廃棄物で課題も
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-08-21-M_1-009-1_001.html
沖縄電力は7月に発表した中長期経営計画に初めて「小型原子力発電の導入可能性の研究に取り組む」ことを盛り込んだ。原発は料金の高さと二酸化炭素(CO2)排出量という二つの「全国一」返上には効果がありそうだが、事故の可能性や廃棄物の管理など課題も山積している。(田島幸治、儀間多美子)
「本土並み料金実現に向けて取り組む」。8月上旬に那覇市で開いた投資家向け説明会で、沖電の石嶺伝一郎社長は訴えた。「本土並み」実現のため、2008年度に沖電は税の減免など国から24億円の支援を受けたが、料金はほかの電力会社より月1000円程度高く、県内の家計や企業の重荷になっている。
沖電は料金が高い理由として(1)ほかの電力会社と電気の融通ができないので一定の供給力を確保している(2)電力網維持に費用がかかる離島を抱えている―などを挙げるが、最近の値上げの要因になったのは原油価格の高騰だった。
原油の国際価格は昨年、1バレル150ドルに迫って史上最高値を記録。金融危機で急落した後、じりじり上がり始めて現在は60~70ドル台前後だ。石炭などの価格も原油に引きずられる傾向にある。
火力に頼る沖電は燃料価格変動で受ける影響が大きい。燃料の平均価格が1キロリットル当たり1000円上下した場合、沖電は電気料金が1キロワット時当たり0・301円動く。これに対し、原子力の比率が約4割と高い九州電力は0・142円で、沖電の半分以下だ。
原発の燃料になるウランはオーストラリアなど政情が落ち着いた国々に埋蔵しているため供給が安定している。
発電時にCO2を出さないのも原発の特徴だ。1キロワット時発電するのに沖電はCO2を0・946キロ排出しているが、九電は約3分の1の0・374キロだ。
電力会社でつくる電気事業連合会は原発をCO2排出削減の「切り札」と位置づける。森詳介会長(関西電力社長)は「(原発や新エネルギーなど)非化石エネルギー比率50%の達成に向けて最大限努力する」と強調。こうした動きも、沖電が原発の研究を計画に盛り込んだ背景にあるようだ。
安全への懸念根強く
沖電以外はすべて導入
沖電以外の9電力はすべて原発を導入し、全国に53基ある。東京電力の柏崎刈羽原発(7基)の停止などの影響もあり、原発全体の稼働率(施設利用率)は2009年3月末で60%となっている。
事故による放射能漏れ、放射性廃棄物、発電所による日常的な放射能汚染など問題も多く、原発立地には地域住民の強い反発も招いてきた。
90年代には、新潟県巻町(現新潟市)で東北電力の原発建設計画について実施された住民投票で、「建設反対」が過半数を占め、同社は計画の白紙撤回を表明。九州電力の宮崎県串間市での原発立地構想も住民らの反発で頓挫した。
発電後に出る放射性廃棄物(核燃料)の行方も大きな問題だ。各発電所にある核燃料の保管場所は満杯に近い状況。だが、核燃料を再利用するための再処理の後には人体や環境に悪影響を及ぼす高レベル放射性廃棄物が出る。
国は廃棄物を地層深くに埋める案を示しているが、具体的な動きはなく、今のところ高レベル放射性廃棄物を貯蔵し続けるしかない状態だ。
原発反対の運動を続けるNPO法人原子力資料情報室の西尾漠共同代表は「沖縄はこれまで原発を持たずに来たのに、わざわざ多くの問題を抱える原発に頼る必要はないのではないか」と懸念する。
検討対象は中小型
沖縄電力は、すでに原発関連の情報収集を進めており、原子力関連企業に社員を出向・派遣して人材を育成している。
国内の原発のほとんどが出力100万キロワット級の大型炉だが、沖電は「(導入する場合は)需要規模からみて出力数10万キロワット程度の中小型原発が有望」とみている。中小型炉は日本原子力発電(東京)などが研究・開発中で、大型炉並みの安全性や経済性を実現するにはどうするかなどを検討している。
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