女川原発のプルサーマル「妥当」 国が計画許可へ
東北電力が女川原発3号機(宮城県女川町、石巻市)で実施を予定しているプルサーマル計画で、原子力安全委員会は24日、安全性や同社の技術的能力を認めた経済産業省原子力安全・保安院の審査を妥当とする判断をまとめ、経済産業相あてに答申した。原子力委員会も審査を妥当と答申済みで、経産省は文部科学省の同意を得た上で計画を許可する見通し。県と女川町も同日、外部有識者らの意見を踏まえて「安全性は確保される」との見解を表明した。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/12/20091225t12012.htm
経産省が許可すれば、実施済みの九州電力玄海原発3号機(佐賀県)や、建設中の電源開発大間原発(青森県大間町)などに続き、9原発10基目となる。東北電は、県と女川町、石巻市との安全協定に基づく地元同意を取り付けた上で、2015年度までの早い時期の実施を目指す。
東北電は昨年11月、原子炉設置変更許可を経産省に申請した。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜた混合酸化物燃料(MOX燃料)を、3号機の燃料集合体560体のうち最大228体に使用する計画。保安院は6月に1次審査を終え、2次審査を原子力安全委と原子力委に諮問していた。
県と女川町は24日、外部有識者による「安全性検討会議」で、「MOX燃料を利用しても、今のウラン燃料と同様に安全性が確保される」と判断したことを明らかにした。
東北電力の安全管理体制や耐震安全性の問題も含む15の論点ごとに検討してきた同会議委員が「燃料の健全性や原子炉の制御性に問題がない」などとする意見を提出。この意見を踏まえて自治体見解をまとめた。
会議を共同で設置した石巻市は、独自の市民勉強会を継続していることを理由に見解公表への参加を見送った。県は近く、見解について県民意見募集の手続きに入る方針。県民の意見を踏まえ、安全性への見解を最終的にとりまとめる。
◎地元の同意、焦点に
【解説】東北電力女川原発3号機のプルサーマル計画は、国の安全審査が24日事実上終了し、宮城県と同県女川町、石巻市による受け入れ可否の判断に焦点が移った。地元側も県と女川町が同日、「安全性は確保される」との見解を表明した。だが、安全性への県民の不安が消えたわけではない。トラブルが続発した原子力施設に対する不信感も根強く残り、「住民の理解」を見極めるのは容易ではない。
県は、地元同意の前提条件に「安全性の確認」と「住民の理解」を挙げている。女川町、石巻市とともに安全審査終了を待たず、外部有識者による会議を共同で設置し安全性の確認作業を進めてきた。手続きは慎重に進めたという意識があり、この日の見解表明で大きな関門を通過したとの立場だ。
確かに、慎重派も交えた講演会や討論会を9~11月に計5回開くなどして県民に情報提供する取り組みを展開するなど、県民への配慮を見せた。
県側は講演会や討論会でのアンケート、県民の意見募集の結果などを参考に、県民の理解状況を探るとみられる。
一連の講演会や討論会では、相次ぐトラブルで本格稼働が遅れている再処理工場(青森県六ケ所村)など、課題山積の核燃料サイクル政策への批判が慎重派から目立った。こうした不安を自治体側はどうくみ取るのか。県民の懸念にはサイクル政策と密接にかかわる分野があり、国による説得力ある説明も求められる。
九州電力玄海原発3号機で11月、国内初のプルサーマルが始まったが、東京電力の原発トラブル隠しなどで国内での導入は当初予定より10年遅れた。女川原発の計画でも2005年の8.16宮城地震で全3基が停止して以降、トラブルが続き、地元自治体への申し入れがずれ込んだ経緯がある。申し入れ後も火災やミスが続いており、信頼回復は道半ばだと言える。
「住民の理解」は定量的には計れない。自治体は拙速を避け、幅広い視点から検討を進め、住民が納得できる結論を得る姿勢が重要だ。(報道部・佐藤崇)
2009年12月25日金曜日
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